二つのアイスクリーム屋台はなぜ砂浜の真ん中に並ぶのか。どちらも先に動けない状態がなぜナッシュ均衡と呼ばれるのか。
映像は直感をつかむためのもので、数値の出典と適用範囲は本文を基準とする。縦型版の英語・日本語字幕版は今後の予定。
同業の店はなぜ隣り合って出店しがちなのか。ホテリング(1929)は線の上の競争でこれに答えた。
100メートルの砂浜に1メートルおきに客が一人ずついて、アイスクリーム屋台AとBが来る。味も値段も同じで、客のルールは一つ、近い方で買う。
- 25メートルと75メートルに置けば客はちょうど半分ずつで、いちばん遠い客も25メートル歩くだけである。
- 自分がAなら中央へ一歩寄る。左側の客は一人も減らず、真ん中の客が少し増える。Bも同じことを考える。
- 一歩ずつ寄り合い、最後は二つとも真ん中に並ぶ。売上は半分ずつのままだが、両端の客は2倍の距離を歩く。
- ここから単独で離れると客を失うので、どちらも動かない。このような状態をナッシュ均衡という。安定しているが、皆にとって最善とは限らない。
前提に注意する。店は2つ、価格は固定、客はどれだけ遠くても買う。価格でも競争できる場合や、遠いと客が買わなくなる場合には結論が逆になり、店はわざと離れる(d’Aspremont, Gabszewicz and Thisse 1979)。現実の集積には別の理由もある。
日本語版
同じ映像の日本語字幕版。
出典: Hotelling (1929) Stability in Competition;d’Aspremont, Gabszewicz and Thisse (1979)。