OLS が一致するのは、説明変数が誤差と無相関の場合だけである。欠落変数、同時性、測定誤差、または人々が選択肢の間で行う選別によって相関すれば、推定は偏り、データを増やしても直らない。**操作変数(IV)**は、問題のある説明変数 x を動かす一方、それ以外では結果と無関係な変数 z を見つけて一致性を回復する。
操作変数は二条件を満たさなければならない。
- 関連性——
Cov(z, x) ≠ 0。操作変数が実際にxを動かす。これは第一段階の F 統計量で検定可能である。 - 除外制約/外生性——
Cov(z, ε) = 0。操作変数はxを通じてのみyに影響し、直接にも欠落要因経由でも影響しない。これは検定できず、理論または設計から論証しなければならない。
標準的な推定量は**二段階最小二乗法(2SLS)**である。
第 1 段階:x を z(および制御変数)へ回帰 → 予測値 x̂
第 2 段階:y を x̂ へ回帰
直観的には x の内生部分を捨て、操作変数が誘発した変動だけを残す。その部分は仮定によりクリーンである。内生説明変数より操作変数が多い場合は過剰識別となり、Hansen/Sargan J 検定で過剰識別制約を確認する。
罠は具体的である。
- 弱い操作変数。 関連性が弱いと(第一段階 F が低い。経験則は F > 10)、有限標本バイアスが急増し、標準誤差も誤解を招く。疑わしい場合は弱操作変数頑健推論を使う。
- 除外制約は検証できない。 これは論証であって検定結果ではなく、因果主張全体が依存する。結果への裏道を持つ、一見もっともらしい操作変数は、操作変数がない場合より悪い。
- 効果の異質性。 効果が単位間で異なるとき、IV が識別するのは、操作変数によって実際に動かされる「遵守者」の局所平均処置効果であり、全員の平均ではない。
記述的回帰から因果主張へ進むとき、IV は自然な選択肢になる。説明変数に準ランダムな変動源——閾値、境界、抽選、政策切替——があれば、操作変数または回帰不連続設計になりうる。加重や固定効果で消せない内生性を直すが、その範囲は除外制約が本当に成立するところまでである。