不均一分散——誤差分散が観測間で変わること——は OLS を偏らせない。係数は不偏かつ一致のままで、壊れるのは分散公式である。そのため通常の標準誤差、t 統計量、信頼区間が誤る。不均一分散頑健標準誤差(White/Eicker–Huber–White、または「サンドイッチ」標準誤差)は、そこだけを直す。点推定値は変わらない。
名称は構造に由来する。真の分散はサンドイッチになる。
Var(β̂) = (X'X)⁻¹ (X'ΩX) (X'X)⁻¹, Ω = diag(σ_i²)
各 σ_i² は観測できないが、残差平方 ε̂_i² を中央の「具」の一致な構成要素として使える。
Var̂(β̂) = (X'X)⁻¹ ( Σ_i w_i·ε̂_i²·x_i x_i' ) (X'X)⁻¹
HC の各版は小標本重み w_i だけが異なる。
- HC0(White):
w_i = 1。 - HC1:
w_i = n/(n−k)。自由度補正を行う。 - HC2:
w_i = 1/(1−h_ii)。レバレッジh_iiを使う。 - HC3:
w_i = 1/(1−h_ii)²。jackknife を近似し、小標本で優れ、妥当な既定値になる。
近接する手法との位置関係は次のように整理できる。
- 加重最小二乗法に対して、頑健標準誤差は非効率な OLS 推定値を保ち、推論だけを直す。一方 WLS は、分散構造が分かるときに推定値を変えて効率性を回復する。不均一分散の形が未知で単なる攪乱なら頑健標準誤差、形が既知で効率性が目的なら WLS を使う。
- 偏りには何も与えない。外生性と正しい平均構造は必要なままで、欠落変数と内生性は残る。
- 独立同分布向けの頑健サンドイッチも、誤差が独立であると仮定する。クラスターがあればクラスター頑健標準誤差、系列相関なら HAC、空間相関なら空間誤差モデルまたは空間頑健推論を使う。
よくある誤りは、頑健標準誤差が偏りを直すと思うこと、小標本で被覆不足になりやすい HC0/HC1 を使うこと(HC3 を優先する)、そして本当の問題がクラスターまたは空間相関なのに独立誤差向けの頑健標準誤差を適用することである。