運賃には距離に関係なくかかる固定部分があるため、遠いほど1キロあたりは安くなる。原料地と市場の中間に建てると、その固定部分を2回払うことになる。
映像は直感をつかむためのもので、数値の出典と適用範囲は本文を基準とする。縦型版の英語・日本語字幕版は今後の予定。
運賃はふつう、原点から一直線に増えるわけではない。1トンごとに距離に関係なく同じ額をまず払い、残りだけが距離に比例する。そのため遠くへ運ぶほど1キロあたりの平均は安くなる。これが遠距離逓減である。中国国鉄の車扱い運賃では、100キロなら1トンキロ平均約0.26元、1000キロなら約0.11元になる。
原料地と市場の間に工場を置くと、この固定部分の意味がはっきりする。両地点の距離を1000キロ、原料1トンから製品1トン、運賃は同じとする。
- 鉱山側に建てれば製品だけを運び、1トン114.30元。都市側に建てれば原料だけを運び、これも114.30元。
- 真ん中に建てると原料と製品を1区間ずつ運び、固定部分を2回払うので130.60元。距離比例の部分は2区間合わせて1回分と同じで、増えた16.30元は2回目の固定部分である。
- 中間のどの地点でも130.60元なので、総輸送費は両端で低く、内側全体で高い。平均運賃が距離とともに上がらない限り、最適点は両端のどちらかにある。これが端点立地定理である。
どちらの端かは、運ぶものの重さ(厳密には重さ×運賃)で決まる。製品1トンに原料1.5トンが要るなら鉱山側114元、都市側171元で原料地に寄る。セメント工場が石灰石鉱山のそばにあるのはこの例である。製品の方が重い(ビールは水を加える)なら市場に寄る。原料が海から来る場合は陸上輸送が港から始まるので、港が原料側の端点になる。鉱山も炭鉱もない上海に製鉄所が建ったことは、こう読むことができる。
適用範囲:ここで比べているのは輸送費だけである。運賃は2018年から施行の国鉄貨物運賃表により、1000キロ・1対1の設定は説明用である。実際の立地は地価、労働力、集積、政策にも左右される。
日本語の授業版(横型)
講義のペースに合わせた日本語の横型版。上下2本に分け、導出・数値例・確認問題まで扱う。
出典: 中国国家鉄路集団 貨物運賃表(2018年施行);Hoover (1948);縦型版と授業版は同じ計算に基づく。