これは『八つの大罪 × 16の性格タイプ』の制作記録である。90秒の総集編1本と1分のショート16本を、2日間で作った。方法はこのシリーズのショートの制作手順を踏襲している。各フレームは時刻だけで決まり、ウェブのキャンバスを1フレームずつキャプチャしてエンコードし、音楽はnumpyで合成する。アニメーション、音楽、チェック用ツールはClaude Codeが書き、私はテーマ選び、試写、最終判断を担当した。文中の「指摘」は、どれも私が試写のあとに出した意見である。
出発点:16マス
発想は単純だった。七つの大罪と七つの美徳で14、あと二つ足せば16になり、MBTIにちょうど合う。足し方は、七つの大罪を八つにすることだ。4世紀にエウァグリオスが挙げた八つの悪しき思いには「虚栄」があり、後の一覧では傲慢に統合された。これを八つめとして呼び戻し、対立する美徳には「誠実」を選んだ。
最初は、あるタイプをある罪に割り当てるのは不公平ではないかと心配した。だが、その必要はないと考え直した。今日の七つの大罪は七つの美徳よりかっこよく読まれることが多く、みんな自虐を楽しむ。本当に対処すべきは「固定観念が強すぎる」ことで、そのために各タイプにレーダーチャートを付け、そのタイプが一つの罪だけではないと見えるようにした。
まず1枚のカード
作品全体を作る前に、一組だけを作った。INTJの傲慢がESFPの謙遜に裏返る12秒だ。スタイルは暗い背景にネオンのタロットカード。タイプの文字はネオン管、アーチ窓の中に線画の人物、その下に大きな文字の罪の名とラテン語。罪のカードはその罪の色、美徳のカードは白金色にした。
人物は手描きではなく、部品を組み合わせてできている。頭の角度、目、眉、口、髪型、服、腕のポーズ、小道具がすべてパラメータだ。16タイプを揃えるときに足したのは部品と16組のパラメータで、髪型14種、腕のポーズ8種、罪ごとに象徴となる小道具を一つずつ用意した。
試作を見て、私は二つの問題を指摘した。
レーダーチャートが読めない。第1版ではレーダーチャートがカードを透かして一瞬光るだけで、完全に点灯するのは1秒しかなく、カードの線や大きな文字とも重なっていた。そこでレーダーチャートをカードの右側に移して全体が常に見えるようにし、裏返しのときには一緒に半回転させた。ほかのラベルは灰色に引かせ、そのカードの項目だけに色を残す。軸の順番も並べ直して近い罪を隣り合わせにした。16タイプの図形の尖りは平均5個から3.75個に減り、どちらに偏っているかが一目でわかるようになった。
その後、二つめの灯りを加えた。罪のカードに、そのタイプの最も強い美徳も同時に光らせる。すると金色の「節制」が紫の「傲慢」より明るくなってしまった。金色は黒い背景ではもともと明るいからだ。そこで主従を分けた。そのカード自身の項目は大きく明るくして光彩を付け、もう一方は小さく暗くする。
台詞がそのタイプらしくない。INTJの元の台詞「君の言うとおり。でも私はやっぱり自分のやり方でやる」は盲目的な頑固さに読め、INTJらしくなかった。そこで私自身の口癖「理論的には、こうするのが正しい」に替えた。ほかの七つの罪の台詞も同じ考え方で書き直した。欠点としてではなく、そのタイプ自身がもっともだと思っている言葉として書く。
「解毒剤」をやめる
試作の最後には「あなたの罪、解毒剤は向かい側に」と書かれ、二枚のカードのあいだを光線が結んでいた。私には「解毒剤」が「あのタイプを探して組め」と言っているように読めた。この言葉はまるごと使わないことにして、「一枚のカードの表と裏」に替えた。結末では同じカードが強拍で罪の面に戻り、さらに美徳の面へ返り、「あなたの罪は、裏返せば美徳」と添える。二枚をつなぐ光線も外した。これも仲を取り持っているように見えたからだ。
1枚のタイムシートで、二手に分かれて
総集編の映像と音楽は二つのタスクが同時に制作し、それを支えたのは先に書いた小節単位のタイムシートだった。120 BPM、1小節2秒、45小節でちょうど90秒。シートには、各強拍が何秒にあり、それがカードを叩きつける打撃(impact)か、裏返し(bright)か、締め(final)かを書き、冒頭の16音の撥弦と、結末でルーレットが減速するときの五音音階のラチェットがどこに落ちるかも書いた。
二つができあがると、そのままつないだ。映像のフラッシュと音のアタックのずれはすべて5ミリ秒以内だった。そのあと音楽を替えるときも、映像を再レンダリングする必要はなく、音声トラックを差し替えるだけで済む。
音楽は2回変えた
強拍の前の空白。第1版では強拍のたびに、その直前で音楽が16分音符ぶん抜け、一撃をより強く響かせていた。一度だけ聴けば効果的だが、4秒ごとに来るとつっかえるように聞こえる。そこで通常の強拍の前では抜かず、リバースシンバルのクレッシェンドだけを残した。本当の無音は、傲慢が登場する前の一か所だけにした。
急に途切れる無音。結末でルーレットが止まる前と最後の一言の前に、それぞれ無音があった。音楽が最大音量から一気にゼロになるので、単独で聴くとファイルが途中で切れたように聞こえる。そこで、収めてから止めるようにした。ドラムとベースが先に抜け、パッドはテープが遅くなるように沈んで暗くなり、だんだんまばらになるラチェットだけが残る。最後の一言の前は無音をやめ、スネアのロールで押し込む。傲慢の登場前の無音を変だと感じた人はいなかった。その前にクレッシェンドの助走があり、意図した間だと聞き取れるからだ。
2回の史実確認
各ショートは史実を一つずつ語るので、どれにも個別に出典を探した。2回の確認で直した点:
- 「グレゴリウス1世が虚栄を傲慢に統合した」は初稿の誤りだった。グレゴリウスはなお虚栄を七つの筆頭に置き、傲慢を七つの上に置いている。虚栄を傲慢に統合したのは、12世紀以降に広まった一覧である。中国語や英語の資料の多くにこの誤りがある。
- 「早すぎる、高すぎる、多すぎる、がっつきすぎる、えり好みしすぎる」という五種類の暴食は、内容はグレゴリウスに由来するが、この覚え歌は後の人が作ったもので、アクィナスがそれを書き留めている。
- アクィナスが引く「怒るべきときに怒らない者は罪を犯している」という一句の出典は、ヨアンネス・クリュソストモスではなく、彼の名を借りた5世紀の注解書である。作中ではアクィナス本人の見解だけを引いた。
- 歴史家リトルは、商業の興隆のあとに強欲が傲慢に追いついたと考えるが、この見解には異論があるため、作中では「そう考える歴史家がいる」とした。
- よりよい題材も見つかった。英語の luxury は1340年には色欲を意味し、17世紀になってようやく「贅沢」になった。
- 七つの美徳は『プシュコマキア』に由来するとよく言われるが、実際には一部しか対応しない。この整った一覧は、19世紀のカトリック要理問答に近い。
8本から16本へ
当初はショートを8本、一組につき1本の予定だった。試作ができてみると、どの回も主役は実は罪の側だと気づいた。INTPには冒頭と豆知識と台詞があるのに、ESFJは裏返ったあとに顔を出すだけだ。そこで美徳の回を8本加え、罪の回の鏡像にした。美徳のカードで始まり、その美徳にまつわる史実を語り、48秒で反対側の罪へ返り、レーダーチャートにはその美徳タイプ自身の最も尖った罪が光る。罪の回は「罪を裏返せば美徳」で終わり、美徳の回は「美徳を裏返しても罪がある」で終わる。
MBTIの比重が少ないとも感じた。加えたのはMBTIの解説ではなく、「言い当てられる」場面だ。たとえば、INTPの企画は頭の中ではもう第3版なのに、ドキュメントは「新規作成」のまま。豆知識は半分ほどに抑え、タイプの場面が3割、裏返しとレーダーチャートが2割を占める。
1本に1曲
16本は当初2曲のテーマ曲を共用していたが、のちに罪ごと、美徳ごとに別の曲を付けることにした。16曲は同じ旋律と同じグリッド(80 BPM、48秒で裏返し)を使い、楽器と性格だけを変える。怠惰はリズムに遅れるけだるいエレクトリックピアノ、勤勉は時計の刻みとマリンバ、憤怒は太鼓と歪んだベース、忍耐は一音ずつゆっくり広がるピアノ、誠実はリバーブをまったくかけないドライなピアノ。罪の回は短調から長調へ、美徳の回はその逆へ転じる。
傲慢の回では、裏返しまでずっと押し上げる、より強いビルドアップの版も試した。私には違いがあまり聞き分けられず、最終的に公開したのは元の版だった。細かすぎる変更に、もう一回りをかける価値はない。
再利用できるルール
- まずカード1枚の試作を作り、スタイル、レイアウト、リズムを確かめてから量産する。
- キャラクターはパラメータ化した部品で組む。16タイプは16組のパラメータ。
- 映像と音楽は先に共通のタイムシートを書く。別々に作っても1フレーム単位で揃う。
- 読ませる情報(レーダーチャート)には専用の場所と十分な時間を与え、主体に重ねて一瞬光らせるだけにしない。
- 二つのハイライトが同時に出るときは、まず主従を決め、そのあとで色そのものの明るさを考える。
- ビート同期の音楽では、通常の強拍のたびに音を抜かない。無音は2〜3の重要な瞬間だけに残し、しかも収めてから止める。
- 史実は一つずつ出典を探す。自分が一番自信のあるものも調べる。
- 変更は聞いてわかる、見てわかるところまでやる。細かすぎる変更に一回りをかける価値はない。